- ✓ AGA治療薬には内服薬と外用薬があり、それぞれ作用機序が異なります。
- ✓ フィナステリドやデュタステリドは薄毛の進行を抑制し、ミノキシジルは発毛を促進します。
- ✓ 治療は継続が重要であり、効果発現までには数ヶ月を要することが一般的です。
AGA(男性型脱毛症)は、成人男性に多く見られる進行性の脱毛症です。適切な治療薬を使用することで、その進行を遅らせたり、発毛を促進したりすることが期待できます。治療薬には、内服薬と外用薬があり、それぞれ異なる作用機序を持っています。この記事では、AGA治療薬の主な種類とその効果、副作用について詳しく解説します。
- AGA(Androgenetic Alopecia:男性型脱毛症)
- 思春期以降の男性にみられる進行性の脱毛症で、男性ホルモンが関与しています。生え際や頭頂部の髪が薄くなるのが特徴です。
AGA治療薬の主な種類と作用機序

AGA治療薬は、主に「薄毛の進行を抑制する薬」と「発毛を促進する薬」の2種類に大別されます。臨床の現場では、患者さまの症状やライフスタイルに合わせてこれらを適切に組み合わせることが重要なポイントになります。
薄毛の進行を抑制する内服薬:フィナステリド・デュタステリド
フィナステリドとデュタステリドは、AGAの主な原因とされる男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロン(DHT)の生成を抑制することで、薄毛の進行を食い止める内服薬です。DHTは、テストステロンが5αリダクターゼという酵素によって変換されることで生成されます。これらの薬剤は、この5αリダクターゼの働きを阻害します。
- フィナステリド(プロペシアなど):5αリダクターゼII型を主に阻害します[5]。多くの臨床研究でその有効性が示されており、薄毛の進行抑制効果が期待できます[1]。
- デュタステリド(ザガーロなど):5αリダクターゼのI型とII型の両方を阻害します[6]。フィナステリドよりもDHTの抑制効果が高いとされ、より高い発毛効果が期待できる場合があります[2]。
これらの薬剤は、通常1日1回の服用で、効果を実感するまでには6ヶ月以上の継続が必要とされています[1]。当院では、治療を始めて半年ほどで「抜け毛が減った」「髪にコシが出てきた」とおっしゃる方が多くいらっしゃいます。
発毛を促進する外用薬・内服薬:ミノキシジル
ミノキシジルは、毛包に直接作用して毛母細胞の働きを活性化し、発毛を促進する薬剤です。血管拡張作用により頭皮の血流を改善し、毛包への栄養供給を増やすと考えられています[1]。
- 外用ミノキシジル:頭皮に直接塗布するタイプで、市販薬としても広く利用されています。濃度は2%から5%が一般的です。
- 内服ミノキシジル(ミノキシジルタブレット):元々は高血圧治療薬として開発されましたが、副作用として多毛が認められたため、AGA治療にも用いられるようになりました。外用薬よりも高い発毛効果が期待できる一方で、全身性の副作用のリスクも考慮する必要があります[4]。
ミノキシジルもフィナステリドやデュタステリドと同様に、効果を実感するまでには数ヶ月の継続が必要です。特に内服ミノキシジルは、その有効性や安全性について医師と十分に相談することが重要です。初診時に「とにかく早く効果を出したい」と相談される患者さまも少なくありませんが、それぞれの薬剤の特性を理解し、焦らず治療を継続することが成功の鍵となります。
| 薬剤の種類 | 主な作用 | 投与方法 | 主な副作用 |
|---|---|---|---|
| フィナステリド | DHT生成抑制(薄毛進行抑制) | 内服 | 性機能障害、肝機能障害など |
| デュタステリド | DHT生成抑制(薄毛進行抑制) | 内服 | 性機能障害、肝機能障害など |
| ミノキシジル外用 | 毛母細胞活性化(発毛促進) | 外用(頭皮塗布) | かぶれ、かゆみ、動悸など |
| ミノキシジル内服 | 毛母細胞活性化(発毛促進) | 内服 | 動悸、むくみ、多毛、肝機能障害など |
AGA治療薬の副作用と注意点とは?

AGA治療薬は高い有効性が期待できる一方で、いくつかの副作用や使用上の注意点があります。安全に治療を進めるためには、これらの情報を正確に理解し、医師の指導のもとで適切に使用することが不可欠です。
フィナステリド・デュタステリドの副作用と注意点
フィナステリドやデュタステリドは、男性ホルモンに作用するため、性機能に関する副作用が報告されています。具体的な副作用としては、性欲減退、勃起不全、射精障害などが挙げられます[5][6]。これらの副作用は比較的稀ですが、発現した場合は医師に相談することが重要です。また、肝機能障害や抑うつ症状が報告されることもあります。
これらの薬剤は、女性(特に妊娠中または妊娠の可能性のある女性)が服用したり、皮膚から吸収されたりすると、胎児の生殖器に影響を与える可能性があるため、取り扱いには十分な注意が必要です。当院では、患者さまに薬剤の適切な保管方法についても詳しくご説明しています。
ミノキシジルの副作用と注意点
外用ミノキシジルでは、頭皮のかゆみ、かぶれ、フケなどの皮膚症状が比較的多く見られます。また、稀に動悸やめまいといった全身性の症状が報告されることもあります[1]。
内服ミノキシジルは、外用薬よりも全身性の副作用のリスクが高まります。主な副作用として、動悸、むくみ、頭痛、多毛症(頭髪以外の体毛が増えること)などが挙げられます[4]。心臓病の既往がある方や高血圧治療中の方などは、特に慎重な検討が必要です。実際の診療では、内服ミノキシジルを希望される患者さまには、心電図検査や血液検査を行い、全身状態を評価した上で慎重に処方を検討しています。
いずれの治療薬も、自己判断での使用や中断は避け、必ず医師の指示に従うことが大切です。副作用が疑われる症状が現れた場合は、速やかに医療機関を受診してください。
まとめ

AGA治療薬には、薄毛の進行を抑制するフィナステリドやデュタステリド、発毛を促進するミノキシジルなど、いくつかの種類があります。それぞれの薬剤には異なる作用機序と副作用があり、患者さまの状態や希望に応じて適切な治療法を選択することが重要です。効果を実感するには継続的な治療が必要であり、副作用のリスクを理解した上で、医師の指導のもとで安全に治療を進めることが成功への鍵となります。治療を開始する際は、専門医と十分に相談し、ご自身の状態に合った最適な治療計画を立てましょう。
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- Shivali Devjani, Ogechi Ezemma, Kristen J Kelley et al.. Androgenetic Alopecia: Therapy Update.. Drugs. 2023. PMID: 37166619. DOI: 10.1007/s40265-023-01880-x
- Mark S Nestor, Glynis Ablon, Anita Gade et al.. Treatment options for androgenetic alopecia: Efficacy, side effects, compliance, financial considerations, and ethics.. Journal of cosmetic dermatology. 2021. PMID: 34741573. DOI: 10.1111/jocd.14537
- Areej Adil, Marshall Godwin. The effectiveness of treatments for androgenetic alopecia: A systematic review and meta-analysis.. Journal of the American Academy of Dermatology. 2017. PMID: 28396101. DOI: 10.1016/j.jaad.2017.02.054
- Mariana Alvares Penha, Hélio Amante Miot, Michal Kasprzak et al.. Oral Minoxidil vs Topical Minoxidil for Male Androgenetic Alopecia: A Randomized Clinical Trial.. JAMA dermatology. 2024. PMID: 38598226. DOI: 10.1001/jamadermatol.2024.0284
- プロペシア(フィナステリド)添付文書(JAPIC)
- ザガーロ(デュタステリド)添付文書(JAPIC)