- ✓ とびひは細菌感染症で、早期の適切な治療が重要です。
- ✓ 池袋の皮膚科では、症状に応じた抗菌薬の内服・外用治療が中心となります。
- ✓ 感染拡大を防ぐため、患部の清潔保持と適切なスキンケアが不可欠です。
とびひ(伝染性膿痂疹)は、皮膚に細菌が感染して発症する皮膚疾患です。特に夏場に多く見られ、お子様を中心に感染が広がりやすい特徴があります。池袋の当院では、とびひの診断から適切な治療、そして再発予防のためのスキンケア指導まで、一貫してサポートしています。
とびひ(伝染性膿痂疹)とは?原因と症状

とびひ(伝染性膿痂疹)は、皮膚の表面に細菌が感染することで、水ぶくれやただれ、かさぶたなどが生じる皮膚感染症です。その名の通り、患部を掻きむしった手で他の部位を触ると、火事の飛び火のように症状が広がることから「とびひ」と呼ばれています。当院では、初診時に「虫刺されかと思って掻いていたら、あっという間に広がってしまって…」と相談される患者さまも少なくありません。
とびひの主な原因菌
とびひの主な原因菌は、以下の2種類です。
- 黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus): 最も一般的な原因菌で、水ぶくれができる「水疱性膿痂疹」を引き起こします。健康な人の皮膚や鼻腔にも常在している菌ですが、皮膚に傷があると侵入し、感染症を引き起こすことがあります[1]。
- A群β溶血性レンサ球菌(Streptococcus pyogenes): 比較的まれですが、厚いかさぶたができる「痂皮性膿痂疹」の原因となります。この菌による感染症は、腎炎などの合併症を引き起こす可能性もあるため注意が必要です[4]。
これらの細菌は、皮膚のバリア機能が低下している部分、例えば虫刺され、あせも、湿疹、擦り傷などから侵入し、感染を成立させます。特に、高温多湿な環境下では細菌が繁殖しやすいため、夏場に患者数が増加する傾向にあります。
とびひの主な症状
とびひの症状は、原因菌によって大きく2つのタイプに分けられます。
水疱性膿痂疹(すいほうせいのうかしん)
黄色ブドウ球菌が原因で、お子様に多く見られるタイプです。最初は小さな水ぶくれ(水疱)ができ、それがすぐに破れてびらん(ただれ)となり、かさぶたになります。かさぶたは薄く、ジュクジュクしているのが特徴です。痒みが強く、掻きむしることで水ぶくれの中の細菌が周囲の皮膚や他の部位に広がり、症状が拡大します[2]。顔、手足、体幹など、どこにでも発生しますが、特に皮膚が薄い部分や汗をかきやすい部分にできやすいです。
- 水疱(すいほう)
- 皮膚の表面に液体が貯留してできる、直径5mm以上の袋状の隆起。一般的に「水ぶくれ」と呼ばれるものです。
痂皮性膿痂疹(かひせいのうかしん)
A群β溶血性レンサ球菌が原因で、比較的年齢の高いお子様や大人に見られることがあります。赤みのある発疹から始まり、厚いかさぶた(痂皮)が形成されます。かさぶたはハチミツを塗ったような色をしており、水疱性膿痂疹よりも深く皮膚に影響を及ぼすことがあります。リンパ節の腫れや発熱を伴うこともあり、重症化すると腎炎などの合併症のリスクがあるため、早期の診断と治療が重要です[4]。
とびひは非常に感染力が強いため、症状に気づいたら早めに皮膚科を受診し、適切な治療を開始することが大切です。自己判断で市販薬を使用すると、悪化したり診断が遅れたりする可能性があります。
とびひの診断方法は?池袋の皮膚科でのアプローチ
とびひの診断は、主に皮膚の症状を視診することによって行われます。池袋の当院では、患者さまの症状を詳しく伺い、患部の状態を丁寧に確認することで、迅速かつ正確な診断を心がけています。臨床の現場では、特に水疱性膿痂疹の場合、典型的な水ぶくれやただれの様子から診断に至ることがほとんどです。
視診による診断
医師が患部の皮膚の状態を直接観察し、特徴的な水疱、びらん、かさぶたの有無、広がり方、周囲の皮膚の状態などを確認します。水疱性膿痂疹であれば、透明な液体が入った水ぶくれが破れて、ジクジクしたただれになっている様子が特徴的です。痂皮性膿痂疹であれば、厚いハチミツ色のカサブタが認められます。
検査による診断
通常、視診で診断が可能ですが、症状が非典型的である場合や、治療に反応しない場合、あるいは他の皮膚疾患との鑑別が必要な場合には、細菌検査を行うことがあります。検査方法は以下の通りです。
- 細菌培養検査: 患部の浸出液や水疱の内容物を綿棒で採取し、培養して原因菌を特定します。同時に、どの抗菌薬が効果的かを調べる薬剤感受性試験も行い、より適切な治療薬を選択する参考にします[1]。結果が出るまでに数日かかります。
- 迅速抗原検査: A群β溶血性レンサ球菌が疑われる場合、咽頭や皮膚から検体を採取し、短時間で菌の有無を判定する検査です。
これらの検査は、特に痂皮性膿痂疹で腎炎などの合併症が懸念される場合や、治療が難渋する場合に有用です。当院では、患者さまの状態に応じて、これらの検査を適切に提案し、診断の精度を高めるよう努めています。
鑑別が必要な疾患
とびひは、他の皮膚疾患と症状が似ていることがあるため、鑑別診断が重要です。主な鑑別疾患としては、以下のものが挙げられます。
- アトピー性皮膚炎の悪化: アトピー性皮膚炎の患者さまは皮膚のバリア機能が低下しているため、細菌感染を起こしやすいです。とびひと合併していることもあります。
- 単純ヘルペス: 口唇ヘルペスなど、水ぶくれを伴う疾患です。とびひとは原因ウイルスが異なります。
- 接触皮膚炎(かぶれ): 特定の物質に触れることで生じる炎症で、赤みや水ぶくれを伴うことがあります。
- 手足口病: ウイルス感染症で、手足や口の中に水ぶくれや発疹ができます。
正確な診断は、適切な治療方針を決定するために不可欠です。ご自身で判断せず、皮膚の異常を感じたら池袋の皮膚科専門医にご相談ください。
池袋の皮膚科で行うとびひの治療法とは?

とびひの治療は、原因菌を排除し、症状の悪化や感染の拡大を防ぐことを目的とします。池袋の当院では、患者さまの年齢、症状の程度、原因菌の種類に応じて、最適な治療法を提案しています。治療を始めて1週間ほどで「水ぶくれが引いてきて、痒みも楽になった」とおっしゃる方が多いです。
薬物療法
とびひの治療の中心は、抗菌薬を用いた薬物療法です。主に外用薬と内服薬が使用されます。
外用抗菌薬
軽度の場合や、症状が局所的である場合に用いられます。患部に直接塗布することで、細菌の増殖を抑えます。当院では、フシジン酸ナトリウムやゲンタマイシン、ナジフロキサシンなどの抗菌薬軟膏を処方することが多いです[1]。これらの外用薬は、1日2〜3回、患部に薄く塗布します。塗布する際は、清潔な手で優しく塗ることが重要です。
- 抗菌薬(こうきんやく)
- 細菌の増殖を抑えたり、殺菌したりする薬の総称。細菌感染症の治療に用いられます。
内服抗菌薬
症状が広範囲に及ぶ場合、重症である場合、または外用薬だけでは効果が不十分な場合に処方されます。内服することで全身に薬が作用し、原因菌を効率的に排除します。当院では、セフェム系やペニシリン系、マクロライド系などの抗菌薬を処方することが一般的です[1]。内服期間は症状の程度によりますが、通常は5〜7日間程度です。医師の指示に従い、処方された期間はきちんと飲み切ることが重要です。途中で服用をやめてしまうと、菌が完全に排除されず、再発や薬剤耐性菌の出現につながる可能性があります。
| 治療方法 | 主な対象 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 外用抗菌薬 | 軽度、局所的な症状 | 副作用が少ない、直接患部に作用 | 広範囲には不向き、塗布の手間 |
| 内服抗菌薬 | 広範囲、重度、外用薬で不十分な場合 | 全身に作用し効果が高い | 胃腸障害などの副作用、飲み忘れ |
かゆみ止め
とびひは強いかゆみを伴うことが多く、掻きむしることで症状が悪化し、感染が拡大します。そのため、抗ヒスタミン薬などの内服薬や、ステロイドを含まないかゆみ止めの外用薬を併用することがあります。かゆみを抑えることで、掻破行動を減らし、治癒を促進します。
患部のケアと感染拡大防止策
薬物療法と並行して、患部の適切なケアと感染拡大防止策が非常に重要です。実際の診療では、お子様のとびひの場合、保護者の方への具体的なケア方法の指導が重要なポイントになります。
- 患部の清潔保持: シャワーなどで患部を優しく洗い、清潔に保ちます。石鹸を使用しても構いませんが、強くこすらないように注意してください。
- 患部の保護: 患部をガーゼや絆創膏で覆うことで、掻きむしりによる悪化や、他の部位への感染拡大を防ぎます。特に就寝中は無意識に掻いてしまうことがあるため、保護が推奨されます。
- 手洗いの徹底: 患部に触れた後は、必ず石鹸で手を洗い、手指消毒を徹底します。お子様の場合は、爪を短く切ることも重要です。
- タオルや衣類の共有を避ける: 家族内での感染を防ぐため、タオルや衣類、寝具などの共有は避けるべきです。
- 入浴時の注意: 湯船に浸かることで感染が広がる可能性があるため、症状がひどい場合はシャワーのみにすることをおすすめします。
これらの対策を徹底することで、とびひの早期治癒と感染拡大の防止につながります。
とびひの合併症と注意すべき症状とは?
とびひは一般的に適切な治療を行えば数日で改善に向かう疾患ですが、まれに合併症を引き起こすことがあります。特に、A群β溶血性レンサ球菌による痂皮性膿痂疹の場合には、注意が必要です。臨床の現場では、お子様の保護者の方から「熱が出た」「元気がなくなった」といった相談を受けた際に、とびひの合併症を念頭に置いて診察を進めることがあります。
とびひの主な合併症
- 急性糸球体腎炎(きゅうせいしきゅうたいじんえん): A群β溶血性レンサ球菌による痂皮性膿痂疹の合併症として、発症から数週間後に腎臓の炎症を引き起こすことがあります。症状としては、血尿、むくみ(浮腫)、高血圧などが挙げられます。早期に適切な治療を受ければ予後は良好ですが、放置すると慢性腎臓病に移行する可能性もあるため、注意が必要です[4]。
- SSSS(ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群): 黄色ブドウ球菌が産生する毒素によって引き起こされる重篤な皮膚疾患です。乳幼児に多く、全身の皮膚が赤くなり、やけどのように水ぶくれが広がり、皮膚が剥がれ落ちるのが特徴です。発熱や倦怠感を伴い、迅速な治療が必要です[3]。
- 蜂窩織炎(ほうかしきえん): 細菌感染が皮膚の深い部分や皮下組織にまで広がり、赤み、腫れ、熱感、痛みを伴う炎症です。発熱や悪寒を伴うこともあり、抗菌薬による治療が必要です[5]。
- リンパ節炎: 感染部位に近いリンパ節が腫れて痛むことがあります。
注意すべき症状
以下のような症状が見られた場合は、とびひの合併症や重症化のサインである可能性があるため、速やかに医療機関を受診してください。
- 発熱: 特に高熱が続く場合。
- 全身の倦怠感や不機嫌: お子様の場合、食欲不振や元気がないなどの変化。
- むくみ(浮腫): 顔や手足のむくみ、特にまぶたの腫れ。
- 血尿: 尿の色が赤っぽい、茶色っぽいなど。
- 皮膚の広範囲な赤みや痛み、熱感: 感染が深部に及んでいる可能性。
- 治療開始後も症状が悪化する、または改善が見られない: 薬剤耐性菌の可能性や、診断の再検討が必要な場合。
これらの症状は、とびひが単なる皮膚の表面的な感染症ではなく、全身に影響を及ぼす可能性があることを示しています。特に小さなお子様は症状をうまく伝えられないため、保護者の方が注意深く観察し、異変があればすぐに池袋の皮膚科にご相談ください。
とびひの予防と日常生活での注意点

とびひは感染力が強く、特に夏場は予防が重要となります。池袋の当院では、治療だけでなく、再発予防や感染拡大を防ぐための具体的なアドバイスも行っています。診察の中で、患者さまが普段どのような生活習慣を送っているかを伺い、個々に合わせた予防策を提案することを実感しています。
とびひの予防策
- 皮膚を清潔に保つ: 汗をかいたらシャワーを浴びる、入浴を毎日行うなど、皮膚を清潔に保つことが基本です。特に夏場は、あせもや虫刺されができやすく、これらがとびひの入り口となることが多いため、注意が必要です。
- 皮膚の傷を放置しない: 虫刺され、擦り傷、切り傷、湿疹などは、細菌が侵入するきっかけとなります。これらを掻きむしらないように注意し、適切に処置して保護することが大切です。虫刺されにはかゆみ止めを塗る、傷には消毒して絆創膏を貼るなど、早めの対応を心がけましょう。
- 爪を短く切る: 爪が長いと、掻いた際に皮膚を傷つけやすく、爪の間に細菌が入り込んで感染源となることがあります。特にお子様は、爪をこまめに短く切って清潔に保つようにしましょう。
- 手洗いを徹底する: 外から帰った時、食事の前、トイレの後など、こまめな手洗いを習慣づけることが重要です。
- アトピー性皮膚炎などの基礎疾患の管理: アトピー性皮膚炎などで皮膚のバリア機能が低下している方は、とびひになりやすい傾向があります。日頃から保湿ケアをしっかり行い、皮膚の状態を良好に保つことが予防につながります。
日常生活での注意点
とびひを発症してしまった場合、他者への感染拡大を防ぐための配慮が必要です。
- 患部を覆う: 治療中は、患部を清潔なガーゼや絆創膏で覆い、露出させないようにしましょう。これにより、細菌の飛散を防ぎ、他の人への接触感染のリスクを低減できます。
- タオルや衣類の共有を避ける: 家族内での感染を防ぐため、患者さま専用のタオルを使用し、衣類も分けて洗濯するなどの対策が有効です。
- プールや温泉の利用制限: 症状が改善するまでは、プールや温泉、水遊びなどは控えるべきです。特に水疱性膿痂疹は、水中で細菌が広がりやすいため、治癒するまで利用を避けるのが賢明です。学校や保育園のプール活動については、医師の許可が出てから再開するようにしましょう。
- 集団生活での配慮: 保育園や幼稚園、学校に通っているお子様の場合、医師から登園・登校許可が出るまでは自宅で安静に過ごすことが推奨されます。感染拡大を防ぐための重要な措置です。
これらの予防策と注意点を守ることで、とびひの発生を抑え、もし発症してしまっても、早期に治癒し、周囲への感染拡大を防ぐことができます。ご不明な点があれば、いつでも池袋の当院にご相談ください。
まとめ
とびひ(伝染性膿痂疹)は、細菌感染によって引き起こされる皮膚疾患であり、特に夏場に多く見られます。主な原因菌は黄色ブドウ球菌とA群β溶血性レンサ球菌で、水疱性膿痂疹と痂皮性膿痂疹の2つのタイプがあります。感染力が非常に強いため、症状に気づいたら早期に皮膚科を受診し、適切な治療を開始することが重要です。池袋の当院では、視診による診断に加え、必要に応じて細菌培養検査を行い、外用抗菌薬や内服抗菌薬を用いた治療を中心に、かゆみ止めなども併用して症状の改善を目指します。治療と並行して、患部の清潔保持、患部の保護、手洗いの徹底など、感染拡大を防ぐための日常生活での注意点も詳しく指導しています。まれに急性糸球体腎炎やSSSSなどの合併症を引き起こすこともあるため、発熱やむくみなどの全身症状が見られた場合は、速やかに医療機関を受診してください。日頃からの皮膚の清潔保持や傷のケア、爪切り、手洗いなどの予防策を徹底することで、とびひの発生を抑え、健康な皮膚を保つことができます。
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よくある質問(FAQ)
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- アクアチム(ナジフロキサシン)添付文書(JAPIC)
- ゲンタシン(ゲンタマイシン)添付文書(JAPIC)