- ✓ オンライン診療で多汗症の診断から処方まで自宅で完結できます。
- ✓ エクロックゲル、ラピフォートワイプなど、外用薬を中心に処方されます。
- ✓ 保険適用される治療薬もあり、費用負担を抑えることが可能です。
オンライン多汗症治療の流れ・処方薬|エクロックゲル等

オンライン多汗症治療とは、インターネットを通じて医師の診察を受け、多汗症の診断や治療薬の処方を受けることができる医療サービスのことです。自宅や職場など、好きな場所からアクセスできるため、通院の手間や時間を大幅に削減できる利点があります。特に、多汗症はデリケートな悩みであるため、対面診療に抵抗がある方にとっても利用しやすい選択肢と言えるでしょう。
当院では、初診時に「病院に行く時間がなかなか取れなくて…」と相談される患者さまも少なくありません。オンライン診療は、そうした時間的制約のある方々にとって、治療開始のハードルを大きく下げる有効な手段だと実感しています。
オンライン多汗症治療の対象となるのは?
オンライン診療は、原発性局所多汗症の患者さまが主な対象となります。原発性局所多汗症とは、特定の病気や薬剤が原因ではなく、手のひら、足の裏、脇の下、顔などに過剰な発汗が見られる状態を指します。特に、日常生活に支障をきたすほどの発汗がある場合に治療が検討されます。
ただし、甲状腺機能亢進症や糖尿病などの病気、あるいは特定の薬剤の副作用によって発汗が増加する「続発性多汗症」の可能性が疑われる場合は、対面での詳細な検査が必要となることがあります。このため、問診の段階で既往歴や服用中の薬について正確に伝えることが重要です。
オンライン診療の具体的な流れ
オンラインでの多汗症治療は、一般的に以下のステップで進められます。
- 予約・問診票の記入: 医療機関のウェブサイトやアプリを通じて、診察の予約を行います。事前にオンラインで問診票を記入し、現在の症状や既往歴、アレルギーなどを詳しく伝えます。
- オンライン診察: 予約した時間に、スマートフォンやPCのビデオ通話機能を利用して医師と対話します。医師は問診票の内容に基づき、症状の程度や発汗部位、日常生活への影響などを確認します。必要に応じて、患部の写真を送るよう指示されることもあります。
- 診断・治療方針の決定: 診察の結果、多汗症と診断された場合、医師は患者さまの状態に合わせた治療薬を提案します。この際、各薬剤の効果や副作用、使用方法などについて詳しく説明があります。
- 処方・決済: 治療薬が決定したら、オンラインで決済を行います。処方箋は薬局に直接送られたり、自宅に郵送されたりする形式が一般的です。
- 薬の受け取り: 処方された薬は、自宅に配送されるか、提携薬局で受け取ることができます。
臨床の現場では、初診のオンライン診察で多汗症の診断に至るケースをよく経験します。特に、脇や手のひらの多汗症は、視診や問診で診断がつきやすい傾向にあります。
オンライン多汗症治療で処方される主な薬剤
オンライン診療で処方される多汗症治療薬は、主に外用薬が中心となります。保険適用される薬剤も多く、患者さまの症状や希望に応じて選択されます。
1. エクロックゲル(一般名:ソフピロニウム臭化物)
エクロックゲルは、原発性腋窩多汗症(わきの多汗症)に特化した外用薬です。発汗を促すアセチルコリンという神経伝達物質の働きをブロックすることで、汗の分泌を抑えます。1日1回、脇に塗布して使用します。臨床試験では、塗布開始から2週間で発汗量の有意な減少が報告されています[1]。
- アセチルコリン
- 神経伝達物質の一つで、自律神経の働きを介して汗腺を刺激し、発汗を促す作用があります。多汗症治療薬の多くは、このアセチルコリンの働きを阻害することで効果を発揮します。
2. ラピフォートワイプ(一般名:グリコピロニウムトシル酸塩水和物)
ラピフォートワイプは、原発性腋窩多汗症に用いられるワイプタイプの外用薬です。エクロックゲルと同様に、アセチルコリンの作用を阻害することで発汗を抑えます。1日1回、脇に塗布して使用します。ワイプタイプのため、手が汚れにくく、手軽に使用できる点が特徴です。海外では手のひらの多汗症への有効性も報告されています[2]。添付文書によると、主な副作用として適用部位皮膚炎、紅斑、かゆみなどが挙げられています[4]。
3. アポハイドローション(一般名:オキシブチニン塩酸塩)
アポハイドローションは、原発性手掌多汗症(手のひらの多汗症)に用いられる外用薬です。こちらもアセチルコリンの作用を阻害することで発汗を抑制します。寝る前に手のひらに塗布して使用します。手のひらの多汗症は日常生活への影響が大きいため、アポハイドローションは患者さまのQOL(生活の質)向上に寄与することが期待されます。
4. 塩化アルミニウム製剤
塩化アルミニウムは、汗腺の出口に栓をすることで物理的に発汗を抑える外用薬です。市販薬としても利用できますが、医療機関で処方される高濃度のものはより効果が期待できます。特に、脇や手のひらの多汗症に用いられることが多いです。皮膚刺激感や痒みが生じることがありますが、効果が高いとされています。
5. 内服薬(プロバンサインなど)
全身性の多汗症や、外用薬で効果が不十分な場合に、内服薬が検討されることがあります。プロバンサイン(一般名:プロパンテリン臭化物)は、抗コリン作用により全身の発汗を抑える効果があります。ただし、口渇、便秘、眠気などの全身性の副作用が生じる可能性があるため、医師と相談の上、慎重に処方されます。
オンライン診療では、対面診療のような詳細な身体診察が難しいため、医師は問診や画像情報に基づいて慎重に判断します。症状が複雑な場合や、他の疾患が疑われる場合は、対面での受診を勧められることがあります。
オンライン診療と対面診療の多汗症治療薬比較
オンライン診療と対面診療では、処方される薬剤の種類に違いがある場合があります。特に、注射による治療や手術はオンラインでは対応できません。
| 治療法 | オンライン診療 | 対面診療 |
|---|---|---|
| 外用薬(保険適用) | 〇(エクロックゲル、ラピフォートワイプ、アポハイドローションなど) | 〇(同上、塩化アルミニウム製剤など) |
| 内服薬(保険適用) | 〇(プロバンサインなど) | 〇(同上) |
| ボツリヌス毒素注射 | ✕ | 〇(脇の多汗症に保険適用、手のひらなどは自費)[3][5] |
| イオントフォレーシス | ✕ | 〇(自宅用機器の指導は可能) |
| 手術(胸腔鏡下交感神経切除術など) | ✕ | 〇 |
ボツリヌス毒素注射は、発汗を促す神経伝達物質の放出を阻害し、汗の分泌を抑える治療法です。特に脇の多汗症に対しては保険適用されており、効果の持続期間は数ヶ月程度とされています[5]。手のひらや足の裏への注射は自費診療となることが多く、痛みを伴うため麻酔が必要となる場合もあります。
イオントフォレーシスは、微弱な電流を流すことで汗腺の機能を低下させる治療法で、主に手のひらや足の裏の多汗症に用いられます。医療機関で定期的に行うほか、自宅用の機器も存在します。手術は、他の治療法で効果が得られない重症の多汗症患者さまに対して検討される最終手段ですが、代償性発汗(他の部位からの発汗増加)のリスクがあるため、慎重な検討が必要です。
実際の診療では、患者さまの症状の程度、発汗部位、ライフスタイル、治療への希望などを総合的に考慮し、最適な治療法を提案することが重要なポイントになります。
まとめ

オンライン多汗症治療は、多汗症に悩む多くの患者さまにとって、手軽に専門的な医療を受けられる有効な手段です。自宅から医師の診察を受け、エクロックゲルやラピフォートワイプといった保険適用される外用薬を中心に処方を受けることができます。通院の負担を軽減し、デリケートな悩みを相談しやすい環境が整っているため、多汗症でお困りの方は、オンライン診療の利用を検討してみてはいかがでしょうか。ただし、症状によっては対面診療が必要となる場合もあるため、医師の指示に従うことが大切です。
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よくある質問(FAQ)
- Kelly M Frasier, Mary Grace Hash, Andrew Pugliese. Wearable Sensor Technology for Hyperhidrosis Management in Individuals With Prosthetic Limbs: A Narrative Review.. Cureus. 2025. PMID: 40109775. DOI: 10.7759/cureus.79109
- David Pariser, Erin Rivera, Danielle Benedict. Open-Label Cohort Study to Evaluate Efficacy and Safety of Application of Glycopyrronium Cloth, 2.4% for Palmar Hyperhidrosis.. Journal of drugs in dermatology : JDD. 2022. PMID: 35533035. DOI: 10.36849/JDD.6688
- Giulio Nittari, Demetris Savva, Filippo Gibelli et al.. Anatomy, Etiology, Management, and Medico-Legal Implications of Botulinum-induced Blepharoptosis.. Current reviews in clinical and experimental pharmacology. 2025. PMID: 39882702. DOI: 10.2174/0127724328310459240809073519
- ラピフォート(グリコピロニウム)添付文書(JAPIC)
- ボトックス(ボツリヌス毒素)添付文書(JAPIC)